南国鹿児島に鶴がいるのはなぜ?出水市ツル観測センターでツルを間近で見よう!
ツルというと北海道など寒い北の地に住んでいるイメージがありませんか?
実は鹿児島県出水市は、日本一のツルの飛来地として有名で、毎年10月から翌年3月まで、シベリアからやってくる特別天然記念物のツルを間近で観察することができます。
北海道に住んでいる鶴は、白い羽毛に頭部に赤い斑点があるのが特徴のタンチョウという日本固有の種で1年中日本で見られるのに対して、出水市にいる鶴は主にナベツルまたはマナヅルという種類で、ロシアや中国から越冬のために飛来してきたものです。そのため、温かくなると再びロシア・中国へ飛び立っていくので、見られるのは冬季のみです。
今回は、家族連れでも野生の鶴観測を気軽に楽しめる施設「出水市ツル観測センター」へ行ってみたので、ご紹介します。
施設概要
ツル観測センターは、出水市荘にある干拓地の前に立つ2階建ての建物です。1階には売店やカフェ、特産品館があり、2階には展望所があります。
展望所からは、ツルのねぐらとなっている田んぼを一望できツルの優雅な舞やエサをついばむ姿が観察できます。また、ツルの生態や保護活動に関するパネルや映像も展示されています。
鶴の飛来時期
ツル観測センターは、11月1日から翌年3月第2日曜日までの間オープンしています。この期間は、シベリアから渡ってくるツルが出水平野で越冬する時期です。ツルの飛来数は年によって変動しますが、ここ数年は1万羽以上が確認されています。
ツルは朝夕に活発に動きますので、その時間帯が観察に最適です。特に夕方になると、ねぐらに帰ってくる群れが大空を舞う姿は圧巻です。
観測できるツルの種類
出水平野に飛来するツルは、主にナベヅルとマナヅルです。ナベヅルは頭部が赤く、マナヅルは頭部が白いのが特徴です。ナベヅルは約8000羽、マナヅルは約2000羽程度が飛来します。他にもクロヅルやソデグロヅルなどのツル以外にも、コウノトリやオオハクチョウなど大型の野鳥も見られます。
また、珍しい個体として白いナベヅルや黒いマナヅルも存在するので、探してみては如何でしょうか。
なぜ出水市に鶴が来るのか
出水平野は、かつて湿地帯だった場所を干拓して作られた田んぼが数多く存在します。この田んぼは稲刈りが終わった後、冬季になると水を張ったまま放置され、鶴のエサとなるイナゴやカエルなどが豊富にいるので、鶴にとって理想的な環境と言えます。
また、水田は人里近くで天敵となる野生動物が少なく安全であり、周囲に高い山や建物がないため周囲を見張りしやすく、風向きや天候を確認しやすいのもツルにとっては好条件です。
鳥インフルエンザとの関連性
ツルたちは、鳥インフルエンザの媒体となることがあるとされていますが、人間への感染はしないと考えられているので、過度に恐れる必要はありません。センターでは訪問者に対し、正しい知識を提供すること、安心してツル観察を楽しめるようになっています。
出水市では鶴の健康管理や感染防止策を行っており、訪れるツルの健康状態を定期的にチェックしています。指定区域外への立ち入りや野鳥との接触は控えて適切な距離を保ち、消毒にも協力して感染拡大防止に努めましょう。
観測時の注意
ツル観察を行う際には、ツルたちの生活を尊重し、驚かせないようにすることが大切です。また、野生動物であることを忘れず、十分な距離を保つことも重要です。
出水市ツル観測センターでは、訪問者に対しツルとの適切な接触方法を案内しています。観測時は、注意事項に従って観測しましょう!
- 鶴を驚かせないように静かに観察しましょう。
- 鶴にエサを与えたり触ったりしないように!
- 鶴を撮影する際はフラッシュやシャッター音を消すこと。
- 鶴観測センター以外の場所では車から降りないように。
- 駐車場以外の場所に車を停めないように!
など。
まとめ
ツルとの触れ合いを通じて、自然とのつながりを感じることができる出水市ツル観測センター。
その美しい姿を見つめ、ツルの生態について学ぶことは、子どもたちにとっても貴重な体験になると思います。ぜひ、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
アクセス
出水市ツル観測センターは、JR出水駅から車で約20分のところに位置しています。公共交通機関を利用する場合は、出水駅からタクシーやバスでアクセスできます。また、駐車場も完備されていますので、自家用車での訪問も可能です。
鹿児島県出水市荘2478番地4
電話番号:0996-85-5151
開館時間:9:00~17:00(入館受付は16:30まで)
休館日:開所期間中無休
料金:大人220円(団体160円)、小・中学生110円(団体50円)
交通手段:
- 車:JR出水駅から約20分
- バス:JR出水駅から「荘」行きバスで約30分、「荘」バス停下車徒歩約15分