【2026年で引退】嵯峨野トロッコ列車に乗ってきた!ザ・リッチ号から眺める保津峡の絶景

嵯峨野トロッコ鉄道

京都・嵐山を走る観光列車「嵯峨野トロッコ列車」。保津川沿いの渓谷をのんびり走る京都屈指の人気観光列車である。

実はこの列車、現在の車両が2026年12月29日をもって引退することになっている。2027年春には新型車両が登場する予定だが、長年親しまれてきたレトロな車両に乗れるのは今年が最後。

それならば引退する前に一度乗っておこうではないか。

というわけで今回は嵯峨野トロッコ列車に乗るため京都・嵐山へ。ただ列車に乗るだけではもったいないので、渡月橋や天龍寺を観光しつつ、しかも帰りは保津川下りで嵐山まで戻ってくる予定。鉄道と舟の両方から保津峡を楽しむという、なかなか贅沢なコースである。

もっとも旅行の計画というものは、そう簡単に予定どおり進まないのだが……。

嵯峨野トロッコ列車とは?2026年で現行車両が引退

嵯峨野トロッコ列車は、かつてJR山陰本線として使われていた線路を活用して1991年に運行を開始した観光列車である。

トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅までの約7.3kmをおよそ25分かけて走り、途中にはトロッコ嵐山駅とトロッコ保津峡駅がある。

普通の鉄道なら速さも重要だが、この列車に限っては遅いことが最大の売り。保津川沿いの渓谷をゆっくり走ることで、車窓から四季折々の景色を楽しめるようになっている。

特に紅葉の時期は人気が高いものの、新緑の山々が美しい季節も悪くない。

現在の車両は2026年12月29日で引退し、2027年春からは新型車両にバトンタッチする予定。新しい列車も楽しみではあるが、この少々無骨でレトロな姿を見られなくなるのは寂しい。

あえて阪急嵐山駅からスタート!渡月橋を渡って嵐山散策

嵯峨野トロッコ列車に乗ることだけが目的なら、京都駅からJR嵯峨野線に乗って嵯峨嵐山駅で降りればよい。そこからトロッコ嵯峨駅まではすぐ隣なので、アクセスとしてはこれが一番手っ取り早い。

しかし、せっかく嵐山に来るのだから観光もしないともったいない。

そこで今回はあえて阪急嵐山線を利用して阪急嵐山駅へ。トロッコ嵯峨駅からは少し離れているが、その分、嵐山を歩いて楽しめるという寸法だ。

阪急嵐山駅から歩いてトロッコ嵯峨駅へ

阪急嵐山駅を出て向かったのは、嵐山のシンボルともいえる渡月橋。

桂川に架かる全長約155mの橋で、背景にそびえる嵐山と一体になった風景は京都を代表する景観のひとつである。

橋の手前から眺めるのも美しいが、実際に歩いて渡ってみると川幅の広さがよく分かる。川には白波が立つ場所もあり、前日の雨の影響なのか水量も多そうだ。

このときはまだ、後ほどこの川に泣かされることになるとは思っていなかった。

嵐山のミッフィーベーカリーで可愛すぎるパンを調達

渡月橋を渡って嵐山の商店街を歩いていると、目に入ってきたのが「みっふぃー桜きっちん」。

店頭には大きなミッフィーのオブジェが飾られ、ピンク色の暖簾にもミッフィーがいっぱい。京都らしい和の雰囲気とミッフィーの可愛らしさを組み合わせたお店である。

併設されているベーカリーには、ミッフィーの顔をかたどったパンやキューブ型のパンなどがずらりと並んでいた。

どれも可愛いのだが、なかでも目を引いたのは耳がぴょこんと飛び出したミッフィーあんぱん。

あのシンプルな顔がパンになるだけで、なぜこうも購買意欲を刺激されるのか。ミッフィー恐るべし。

というわけで、列車の中で食べようとミッフィーあんぱんを購入。

トロッコ列車で保津峡の絶景を眺めながらミッフィーを食べる。なんだか少し不思議な組み合わせだが、旅先なのだから細かいことは気にしない。

人気なのですぐに売り切れることも

世界遺産・天龍寺で京都らしい庭園を楽しむ

トロッコ列車の出発まで少し時間があるため、続いて向かったのは天龍寺。

天龍寺は足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために創建した臨済宗天龍寺派の大本山で、京都の世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産にも登録されている。

境内の見どころは、なんといっても曹源池庭園だ。

池の向こうに広がる山々を背景として取り込む借景式の庭園で、水面に映る緑と石組みが実に美しい。庭園の一部だけを切り取って眺めても絵になるのだから、昔の庭師のセンスには感心するばかりである。

それにしても京都の庭園というのは不思議なものだ。池と石と木があるだけなのに、なぜこれほど眺めていたくなるのだろう。

自宅の庭で同じことをしても、ただ草刈りをサボっただけに見えるに違いない。

しばし庭園を眺めたあとは建物の周囲も散策。嵐山の自然に囲まれた天龍寺は、賑やかな商店街とはまた違った京都の魅力を感じられる場所であった。

トロッコ嵯峨駅には蒸気機関車や鉄道ジオラマも!

天龍寺の見学を終えて、いよいよトロッコ嵯峨駅へ向かう。

まず目を引いたのが、屋内に展示されている蒸気機関車「C58 48」。

トロッコ嵯峨駅はJR嵯峨嵐山駅のすぐ隣。駅舎はどこか懐かしい雰囲気で、観光列車の出発駅らしく鉄道に関する展示も充実している。

黒光りする大きな車体に、びっしりと張り巡らされた配管や巨大な動輪。実際に使われていた蒸気機関車を間近で見ると、その存在感はなかなかのものである。

車体には「つばめ」のヘッドマークも取り付けられていた。

さらに駅には、日本最大級の鉄道ジオラマを楽しめる施設「ジオラマ京都JAPAN」もある。

精巧に作られた街並みの間を鉄道模型が走る様子は、鉄道好きでなくても見入ってしまいそうな迫力。トロッコ列車の出発までの時間も、退屈せずに過ごせるのがありがたい。

嵯峨野トロッコ列車に乗るなら、駅には少し早めに着いておくのがおすすめだ。

いよいよ乗車!5号車「ザ・リッチ号」の右側席を確保

ホームに降りると、黒と赤のディーゼル機関車が停車していた。

車体には「DE10 1104」の文字と「嵯峨野」のヘッドマーク。その後ろに連なる客車もどこか昭和の雰囲気を残しており、普通の列車とは明らかに違う。

今回確保した座席は5号車「ザ・リッチ号」の進行方向右側。

ザ・リッチ号は窓ガラスのない開放的な客車で、天井部分も透明になっているため、外の風を感じながら景色を楽しめる特別な車両である。

そして今回の座席は、トロッコ亀岡方面へ向かう列車で保津川の景色を楽しむのに好都合な右側席。

これはなかなかのベストポジションではないか。

列車が動き始めると、外の風が直接車内に入ってくる。空調の効いた快適な特急列車とは違い、山の空気も走行音も遠慮なく入り込んでくるのがザ・リッチ号の魅力である。

もちろん天候によっては暑かったり寒かったりするだろうが、せっかくトロッコ列車に乗るのだから多少の不便も楽しみたい。

保津峡の絶景を眺めながらミッフィーあんぱんを食べる

列車が山あいへ進むにつれて、車窓の景色も次第に変わっていく。

街並みが遠ざかり、代わりに現れるのは深い緑に覆われた山々と、その間を流れる保津川。切り立った岩肌や大きな岩が転がる川岸など、嵐山の賑やかな観光地とはまるで別世界だ。

川が大きく曲がるたびに景色も変わり、橋を渡る場面では視界が一気に開ける。

ふと見上げれば、頭上にはJR山陰本線の鉄橋。新しい鉄道と古い線路を走るトロッコ列車が、保津峡という同じ渓谷を異なる高さから横切っているのも面白い。

そんな景色を眺めながら取り出したのが、先ほど購入したミッフィーあんぱんである。

つぶらな瞳に小さな口。そして頭から生えた長い耳。

可愛い。

可愛いのだが、食べるために買った以上は食べなければならない。

絶景を背景に記念撮影を済ませ、ミッフィーをいただくことにした。レトロなトロッコ列車に揺られながら食べるミッフィーあんぱんは、少なくとも普通のあんぱんより旅の思い出には残りそうである。

途中駅にはたぬきの置物がずらり

嵯峨野トロッコ列車の魅力は、渓谷の景色だけではない。

途中のトロッコ保津峡駅には、ホームにたくさんの信楽焼のたぬきが並んでいる。

大きなたぬきから小さなたぬきまで、実にさまざま。ずらりと整列した光景はどこかユーモラスで、つい写真を撮りたくなってしまう。

ホームの向こうには緑豊かな山々が広がり、周囲には自然以外ほとんど何もない。

こんな山奥の駅に、これだけたくさんのたぬきが集まっているというのも妙な光景である。

また車窓からは、川の向こう岸に建つ小さな神社も見えた。朱色の柵が緑の中によく映え、保津峡の自然と人の暮らしが隣り合っていることを感じさせる。

トロッコ列車は一般の鉄道に比べてゆっくり走るものの、約25分の乗車時間はあっという間だ。

景色を眺めて写真を撮り、ミッフィーあんぱんまで食べていると、もう終点が近づいてくる。

トロッコ亀岡駅に到着!しかし保津川下りがまさかの中止

こうしてトロッコ亀岡駅に到着。

ここからの予定は、保津川下りで嵐山まで戻ることだった。

保津川下りは亀岡から嵐山まで約16kmの渓流を舟で下る人気の観光体験で、トロッコ列車と組み合わせれば往路は鉄道、復路は舟という理想的な観光コースになる。

トロッコ列車で見下ろしていた保津川を、今度は川面から眺めることができるわけだ。

ところが、ここで残念なお知らせ。

前日の雨による増水のため、保津川下りが中止になっていたのである。

確かに渡月橋を歩いたときから川の水量は多そうだと思っていたが、まさかここまで影響するとは。

そういえばトロッコ列車から見た保津川もかなりの流れであった。写真で見る分には迫力があってよいのだが、実際に舟で下るとなれば話は別。安全第一なのだから仕方がない。

それでも楽しみにしていただけに少々残念である。

結局、トロッコ亀岡駅から徒歩5分ほどのJR馬堀駅へ向かい、JR嵯峨野線で戻ることにした。

なんともあっけない帰り道だが、トロッコ列車で約25分かけてきた渓谷を普通の電車であっさり戻るというのも、それはそれで面白い。

行きは絶景を楽しむ観光列車、帰りは現実的な交通手段。

旅行というものは往々にしてこういうものである。

嵯峨野トロッコ列車に乗って分かったこと

今回乗ってみて感じたのは、嵯峨野トロッコ列車は単なる移動手段ではなく、列車に乗ること自体が目的になる観光スポットだということ。

特に5号車のザ・リッチ号は開放感が抜群で、窓越しでは味わえない渓谷の景色を楽しめる。今回は進行方向右側の座席だったこともあり、保津川を間近に眺められる場面が多かった。

ただし、川は線路の左右に現れるので、右側だけが絶対に正解というわけではない。またザ・リッチ号は外気が直接入ってくるため、季節や天候に合わせた服装も必要だろう。

嵐山から乗るのであれば、今回のように阪急嵐山駅から渡月橋を渡り、天龍寺などを観光してトロッコ嵯峨駅へ向かうコースもおすすめだ。

観光地を歩いて回る分だけ時間はかかるが、嵐山の魅力を一度に楽しめる。

そして、保津川下りと組み合わせる予定の人は当日の運航状況を必ず確認しておくこと。

天気がよくても前日の雨による増水で中止になることがある。今回の私のようにならないためにも、事前確認は重要である。

35年間ありがとう。現行車両に乗れるのは2026年まで

1991年の運行開始から35年。

嵯峨野トロッコ列車は京都・嵐山の人気観光スポットとして多くの旅行者を乗せてきたが、現在の車両で走る姿が見られるのも残りわずかとなった。

新型車両に変わっても保津峡の美しい景色は変わらないだろう。しかし古い車体の揺れや開放的な客車の雰囲気は、今の車両だからこそ味わえるものでもある。

トロッコ列車から眺める保津峡は想像以上に美しく、約25分という短い時間ながら満足感の高い旅であった。

保津川下りが中止になったのは残念だったが、それもまた旅の思い出。

2026年の引退までに京都を訪れる予定があるなら、ぜひ一度このレトロなトロッコ列車に乗ってみてほしい。

投稿者プロフィール

たった
たった
神奈川から鹿児島に移住した当サイト管理人兼WEBデザイナー。カレーとラーメンと焼肉や珍しいご当地料理が好き。週末はイベントやお祭りに出向いたり、小学生の娘と一緒にポケモンをしながら街をブラブラ歩く。最近はドラクエウォークもやってます。
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