林芙美子文学碑(古里公園) - 貧しくも強く前向な人生の片鱗に触れる
桜島の古里公園内には小説「放浪記」で有名な小説家・林芙美子(はやしふみこ)の記念碑があります。
子どもの頃に母親の故郷である鹿児島市古里町の実家で一時期を過ごしたこともあり、それが縁で石碑が建てられたようです。
林芙美子(はやし ふみこ)1903年 - 1951年
複雑な生い立ち、様々な職業を経験した後、『放浪記』がベストセラーとなり、詩集『蒼馬を見たり』や、『風琴と魚の町』『清貧の書』などの自伝的作品で文名を高めた。その後、『牡蠣』などの客観小説に転じ、戦中は大陸や南方に従軍して短編を書き継いだ。戦後、新聞小説で成功を収め、短編『晩菊』や長編『浮雲』『めし』(絶筆)などを旺盛に発表。貧しい現実を描写しながらも、夢や明るさを失わない独特の作風で人気を得た。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき
林芙美子が色紙などに好んで書いたと言われる「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」という言葉。
この言葉自体は作品として発表されたものではなく、私的な手紙などに使われたので明確な出典があるわけでもなく様々な解釈があり、「楽しい若い時代は短く、苦しいときが多かった」と自らの人生を例えたものだとも言われています。
上記の文だけだと、ネガティブで悲壮感ただようイメージがありましたが、近年になって生前親交のあった村岡花子へ宛てた手紙の中に以下のような全文があったことが見つかりました。
風も吹くなり
『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』村岡恵理 著
雲も光るなり
生きてゐる幸福は
波間の鴎のごとく
漂渺とただよい
生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私も知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり
この全文をみると「花の命は~」という言葉は、必ずしも人生を悲観して使われていたわけではなく、むしろ『どんなに辛くても人生には良いこともあるから前へ進んで行こう』という、前向きなメッセージを感じさせます。
これは林芙美子の作風そのものにも通じ、彼女の人生観そのものを表した言葉なのかもしれません。
林芙美子文学碑(古里公園)アクセス
- 〒891-1544 鹿児島県鹿児島市古里町1078
- 入場無料
- 駐車場有
投稿者プロフィール
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神奈川から鹿児島に移住した当サイト管理人兼WEBデザイナー。カレーとラーメンと焼肉や珍しいご当地料理が好き。週末はイベントやお祭りに出向いたり、小学生の娘と一緒にポケモンをしながら街をブラブラ歩く。最近はドラクエウォークもやってます。
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