五島列島・福江島1泊2日の旅。堂崎教会から福江城、山本二三美術館へ

福江港

鹿児島中央駅を朝7時42分に出発して新幹線と特急を乗り継ぎ、長崎港からジェットフォイルに乗ること約1時間半、ようやく五島列島の福江港へ到着した。福江港ターミナルのコンクリート打ちっぱなしの建物がいかにも離島の玄関口といった雰囲気で迎えてくれる。

鹿児島から公共交通機関だけで来るとなかなかの長旅だが、到着したからといってホテルでのんびりしている時間はなく、この後は午後から始まる定期観光バスツアーに参加する予定である。

ツアー開始まで30分ほど時間があるので、まずは福江港ターミナル内を見て回ることにした。

福江港でまずは売店を物色と日本遺産の御周印をいただく

最初に向かったのは、福江港ターミナル内にある五島市観光協会の売店。

ここでは日本遺産の「御周印」をいただくことができる。

神社やお寺でもらう御朱印ではなく、日本遺産を巡った記念となる御周印であり、旅先でこういう印を見つけると、特に集めているわけでもないのに欲しくなってしまう。

空白のページがあると埋めたくなるのが人間の性なのだろう。

福江港でいただいた日本遺産の御周印

御周印をいただいた後は、そのまま売店のお土産を確認しておく。

港のターミナル内にはいくつもの土産物売り場があり、時間があるならここを見て回るのがおすすめである。五島土産は空港や本土側でも多少は買えるのだろうが、やはり現地の港で見るとテンションが違う。椿をモチーフにしたお菓子や五島らしいパッケージの商品が並んでいると、まだ旅は始まったばかりなのに帰りの荷物のことを忘れて買いそうになる。

福江港では五島名物の鬼鯖鮨も販売されているのだが、午後に到着した時点ですでにほとんど売り切れており、やはり人気商品を確実に手に入れようと思ったら早い時間に来る必要があるようだ。

ただし事前にお願いしておけば取り置きもできるとのことだったので、その場で翌日の帰りに受け取る分を予約しておいた。

福江港ターミナル内の土産物店

五島バスの午後ツアーに参加

時間になったら、福江港ターミナル内にある五島自動車のカウンターで受付を済ませて定期観光バスへ乗り込む。

福江港で受付を済ませたら、午後の定期観光バスに乗って島内観光へ出発する。

福江島は地図で見るよりも広く、しかも見どころが市街地に固まっているわけではないため、レンタカーがない場合はこうした観光バスがかなり便利である。主要スポットまで効率よく連れて行ってくれるし、自分で運転しなくていいので景色を眺める余裕もある。知らない土地で道に迷う心配がないだけでもありがたい。そして何よりエコだ。

バスに揺られて市街地を離れると、港の風景から一気に島らしい景色へ切り替わっていく。海は近いし、山も近い。しかもその間に人の暮らしが自然に入り込んでいて、ただ車窓を眺めているだけでも楽しい。鹿児島の離島にも通じる空気はあるのだが、やはり五島には五島の雰囲気がある。

窓から眺める五島の景色。丸い生簀はマグロの養殖場

赤レンガの堂崎教会へ

午後ツアーで最初に訪れたのは、海辺に建つ堂崎教会

駐車場から歩いて堂崎教会へ向かう途中や周辺では、思わず足を止めたくなるような海の景色が広がっていた。湾になっているため波は穏やかで、水は驚くほど透明である。大げさではなく、海の底まで見えそうな場所もあり、観光地として派手に整備されていないぶん、かえってそのままの美しさが際立っているように思えた。

透明度の高い入江と不思議な丸岩

美しい海を右手にしばらく歩くと赤煉瓦造りの建物が見えてくる。

県指定有形文化財の堂崎教会だ。

江戸時代から続いた禁教令が解かれた後の1880年、この場所に五島で最初となる木造の天主堂が建てられ、その後1908年に現在の赤レンガ造りの教会が完成した。現在教会内部は弾圧の歴史やキリシタン信仰に関する資料を展示する資料館として公開されている。

駐車場から海沿いの道を進んでいくと、木々の向こうに赤レンガの教会が見えてくる。

青い海と赤いレンガの組み合わせは絵になるが、この場所へ来た人々がどのような思いで信仰を守り、教会を建てたのかを知ると、単にきれいな建物として見るだけでは終われない。

長崎港の展示で少し予習しておいて正解だった。

海辺に建つ赤レンガ造りの堂崎教会

教会の内部には色ガラスの窓や木造の天井が残されており、外観だけでなく建物の中も見ておきたい。

ただし教会であると同時に信仰の歴史を伝える場所でもあるため、観光地だからといって浮かれすぎず、静かに見学するのがよいだろう。

かくれキリシタンが祈っていた石には十字が刻まれた跡が僅かに見える
アルメイダ宣教のレリーフ

堂崎マドレーヌを購入

堂崎マドレーヌ製造販売所

堂崎教会のすぐ近くには「堂崎マドレーヌ」の店がある。

教会を見学した流れでそのまま吸い込まれるように寄ってしまう絶妙な位置にある。しかも店構えがいかにも感じよく、木々に囲まれた外観も雰囲気があって、近づく前からすでにおいしそうである。

堂崎マドレーヌには五島の特産品である椿油が練り込まれているらしく、教会を見た後のお土産としてもちょうどいい。

五島土産としても定番らしく、店が開いていればもちろん立ち寄ればいいし、もし休みでも近くの自販機で買えるようになっているのが面白い。マドレーヌを24時間体制で供給しようとする強い意志を感じる。

駐車場付近にあるマドレーヌの自動販売機

鐙瀬ビジターセンターで五島の成り立ちを学ぶ

次に向かったのは鐙瀬(あぶんぜ)ビジターセンター

堂崎教会で歴史に触れたかと思えば、今度は五島の自然や地形を学ぶ施設へ移動するあたり、この観光バスはなかなか情報量が多い。五島という土地は教会だけで語れる場所ではなく、自然や地質も含めて面白いのだと分かってくる。

鐙瀬ビジターセンターの外観

ビジターセンターの展示では、五島列島がどこに位置しているのか、どういう自然環境を持った島なのかといったことが分かりやすく紹介されている。海と火山と島の暮らしがどう結びついているのかが見えてくると、さっきまでただ「きれいだな」と思って見ていた海岸の景色も少し違って見えてくる。

五島列島の自然や地形を紹介する館内展示

外の海景色も非常に良く、建物の中だけ見て終わるのはもったいない。曇り空気味でも絵になる海岸で、晴れていたらさらにすごいのだろうなと思わせる景色だった。

設置されたばかりのポケふたを発見

鐙瀬ビジターセンターを訪れたら、建物の中だけでなく屋外も確認しておきたい。

ここには2026年7月11日に設置されたばかりのポケモンマンホール、通称「ポケふた」がある。

五島市のポケふたには長崎未来応援ポケモンのデンリュウと、モココ、メリープが描かれており、世界に一枚しかない五島市オリジナルのデザインとなっている。

ポケモン好きはもちろんそうでなくても、ぜひ見つけて写真を撮っておきたい。

瀬ビジターセンターに設置されたポケふた

これで午後の定期観光バスツアーは終了し、再び福江港へ戻る。

短時間ではあったが、車がなければ行きづらい堂崎教会と鐙瀬ビジターセンターをまとめて巡ることができたので、到着日の午後を無駄なく使いたい人にはちょうどよい内容だった。

ビジネスホテル三国へチェックイン

福江港へ戻ったら、今回宿泊するビジネスホテル三国へ向かう。

ちょうど旅行した時期には「長崎しま旅割引キャンペーン」が実施されており、下五島の対象となる体験付き宿泊プランでは1名につき3,000円の割引を受けることができた。

今回予約したプランは、キャンペーンを利用して1泊4,100円。通常ではあり得ない破格である。

さらに山本二三美術館の入館券まで付いており、実質的な宿泊料金を考えるとかなりお得である。なお山本二三美術館の通常入館料は一般400円となっている。

部屋は一人暮らしの和室のような雰囲気でシャワートイレも各部屋に付いているので落ち着いて過ごすことができる。

荷物を置いたら福江の街を歩く

ホテルへチェックインしたら部屋で少し休みたいところだが、時刻はすでに夕方へ差しかかっており、のんびりしていると資料館や美術館が閉まってしまう。

荷物だけを置き、すぐに福江の街へ出発する。

最初に向かったのは、福江城跡の近くにある五島観光歴史資料館。

福江港から徒歩圏内にあり、館内では古代の暮らしや遣唐使、倭寇、キリシタン信仰、五島藩の成り立ちなど、島の歴史が時代順に紹介されている。

午後のバスツアーでも五島の歴史に触れたが、離島という言葉から想像する以上に、五島は海外との交流や宗教、海上交通の歴史が複雑に重なった土地である。

【写真:五島観光歴史資料館】

松風軒で「はっちかんかん」を買う

資料館へ入る前、その向かいに「八匹雷本舗 松風軒」という菓子店を見つけた。

どうやら「はっちかんかん」という五島銘菓を製造販売している店らしく、名前だけではどのようなお菓子なのかまったく想像できない。

漢字で書くと「八匹雷」。八を「はっ」と読むところまでは分かるが、匹雷が「ちかんかん」????いや全然分からん。
ここまで分からないと買わずに通り過ぎる方が難しいので、資料館へ入る前に一つ購入しておくことにした。

八匹雷本舗 松風軒

きな粉のかかった弾力のある一口サイズの餅が3つ連なって串に刺さっていて食べやすい。食感が肥後名物乳団子に似ていて美味しい。これは買って損のない逸品だ。

五島銘菓「はっちかんかん」

日本最後の海城・福江城跡を歩く

五島観光歴史資料館を見終えたら、そのまま福江城跡の堀に沿って歩いていく。

福江城は黒船の来航に備えて築かれ、1863年に完成したものの、そのわずか9年後に明治政府によって解体された「日本最後の海城」として知られている。

築城当時は三方を海に囲まれており、現在も石垣や石橋、城の裏門にあたる蹴出門などが残されている。

せっかく福江城跡へ来たら、建物が残っていないからと素通りせず、石垣にも注目してほしい。

加工された石を隙間なく積み上げた城とは異なり、自然石の形を生かしながら組み上げられた石垣には独特の荒々しさがあり、福江城は続日本100名城にも選ばれている。

完成するまでに長い年月をかけたにもかかわらず、完成後わずか9年で解体。

城として活動できた期間が短すぎる。

福江城跡の堀と石垣
自然石を利用した福江城跡の石垣

山本二三美術館へ

福江城跡から武家屋敷通りを歩いていくと、山本二三美術館へ到着する。

山本二三は五島市出身のアニメーション美術家で「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」「もののけ姫」「時をかける少女」など、数々の作品で美術監督を務めてきた人物である。

美術館は1863年に建てられた武家屋敷「松園邸」を改修したもので、アニメーションの背景画や、故郷である五島の風景を描いた作品が展示されている。

背景画を間近で見ると、普段アニメを見ているだけでは気づかないほど細部まで描き込まれており、雲の形や木々の一本一本、建物に差し込む光まで計算されていることが分かる。

登場人物がいない風景だけの絵なのに、その場所で何かが起こりそうな気配があり、背景でありながら決して脇役ではない。

特に故郷の風景を描いた「五島百景」が素晴らしかったので、思わず売店で画集を購入してしまった。

先ほど見てきた堂崎教会なども描かれていたので、旅の思い出を振り返るのにも悪くないだろう。

夕食は五島飯Seinaへ

山本二三美術館を出る頃には18時を回っていたので、夕食を取るために五島飯Seinaへ向かう。

ここでは洋食の経験を持つシェフが五島の食材を使った定食や丼、五島うどんをパスタ風に仕立てた料理などを提供している。

五島うどんといえば、あごだしで食べる地獄炊きが定番だが、細くてコシのある麺はソースにも絡みやすく、パスタ風の食べ方にもよく合う。五島うどんは椿油を使いながら細く延ばして作られる、滑らかな喉越しと強いコシが特徴の麺である。

今回の週替わりパスタはトマトバジルだったので、それに五島美豚のトンカツと刺身3種盛りを注文した。

五島うどんを使ったトマトバジルのパスタ

五島うどんのパスタは見た目こそスパゲティに近いが、食べると五島うどんらしい滑らかさと弾力があり、トマトソースを使っていても麺の存在感はしっかり残っている。

さらにトンカツと刺身まで並べると、イタリアンなのか和食なのか分からない食卓になったが、島へ来て食べたいものを一度に注文した結果なので仕方がない。

地元のスーパー「エレナ」にも寄ってみよう

夕食を済ませたらホテルに戻る前に寄っておきたいところがある。

福江港のすぐ近くにある「エレナ」は長崎県と佐賀県内で展開している地域密着型のローカルスーパーマーケット。現地の人たちの食生活や食文化を知るにはもってこいの場所だ。

特にクジラ肉が普通にお店で買えるのは長崎ならではだろう。

日持ちする缶詰はお土産として買って帰ることもできるのでオススメ。

五島旅行の初日が終了

夕食を終えたらホテルへ戻り、ようやく五島旅行の初日が終了する。

朝7時42分に鹿児島中央駅を出発して長崎まで約3時間、そこからジェットフォイルで福江島へ渡り、到着後は堂崎教会と鐙瀬ビジターセンターを巡って福江の街を歩き、歴史資料館、福江城跡、山本二三美術館まで見て回った。

しかし、福江島の観光はまだ終わっていない。

翌日は朝から定期観光バスの午前コースへ参加し、島のさらに奥へ向かう予定だ。

投稿者プロフィール

たった
たった
神奈川から鹿児島に移住した当サイト管理人兼WEBデザイナー。カレーとラーメンと焼肉や珍しいご当地料理が好き。週末はイベントやお祭りに出向いたり、小学生の娘と一緒にポケモンをしながら街をブラブラ歩く。最近はドラクエウォークもやってます。
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