定期観光バスで巡る五島列島・福江島の旅|教会と絶景と鬼鯖鮨

前日は堂崎教会をはじめ福江島東部を巡り、この日の朝は福江港近くの縁楽亭で地獄炊きうどんを食べた。

1泊2日の五島旅行も、いよいよ後半戦である。

午後13時40分発のジェットフォイルで長崎へ戻る予定なので、自由に観光できるのは午前中まで。限られた時間で福江島西部の見どころを回るため、福江港から出発する定期観光バスへ参加することにした。

レンタカーなら自由に寄り道できるものの、帰りの船が決まっている日に欲張ると危険である。「あと一か所だけ」が積み重なり、最終的に港まで必死で戻ることになりかねない。

その点、定期観光バスなら主要スポットを巡ったうえで福江港まで戻ってきてくれる。あとは時間通りにバスへ戻りさえすればいい。旅の終盤くらい、運転も時間管理も誰かに任せたい。

朝食に地獄炊きうどんを食べて準備は万端。あとはバスに乗っていれば、教会から断崖絶壁、海水浴場まで主要な観光スポットへ連れて行ってくれる。短い滞在時間で福江島の見どころを回りたい人にとって、かなり便利な選択肢である。

グルメ

【朝食OK】縁楽亭は福江港近くで地獄炊きうどんを食べられる希少な食堂New!!

福江港から定期観光バスに乗車

定期観光バスは福江港から出発するため、港周辺のホテルや飲食店を利用している人なら参加しやすい。

今回は1泊2日の五島旅行で、この日の13時40分には長崎港行きのジェットフォイルへ乗らなければならない。自分で予定を組んでいたら「ここも見たい」「やっぱりあそこも寄りたい」と欲を出した末に港へ戻れなくなる未来が見えるので、こういうときこそ観光バスの出番である。

時間通りに主要スポットを回り、最後は福江港へ戻ってきてくれる。帰りの船が決まっている旅行者にとって、この安心感は大きい。

井持浦教会と日本初のルルド

まず訪れたのは、赤レンガ風の外観が美しいカトリック井持浦教会。

前日に訪れた堂崎教会が、五島におけるキリスト教復活の歴史を伝える場所だったのに対し、井持浦教会は現在も祈りやミサに使われている現役の教会である。

青空の下に立つ赤レンガ調の建物は重厚感がありながら、白い装飾とアーチ状の窓によってどこか柔らかな印象も受ける。

観光客も見学できるが、あくまで信仰の場である。大声で話したり、礼拝の妨げになるような行動は避けたい。

教会の敷地内には、フランスのルルドを模して造られた洞窟と聖母像がある。

ルルドとは、聖母マリアが現れたという伝承を持つフランスの巡礼地で、湧き出る水は病気を癒やす奇跡の水として信仰を集めてきた。その信仰にならい、井持浦教会にも泉が設けられている。

岩壁の中央には聖母像が立ち、その前には静かに祈るための石造りの台が置かれていた。

泉のそばには蛇口と小さなカップも用意されており、実際に水をいただくことができる。飲めば病気が治ると伝えられている水らしいので、とりあえず健康診断の数値が少しでも良くなることを願って飲んでおいた。

もちろん薬の代わりになるという話ではないが、旅先で自分や家族の健康を願いながら口にする水は、普通の飲み水とは少し違って感じられる。

教会の美しさだけでなく、今も受け継がれている祈りに触れられる場所である。

大瀬崎展望台から断崖の灯台を眺める

教会を後にして、バスは福江島を代表する絶景スポット「大瀬崎」へ向かった。

展望台へ着くと、目の前に広がっていたのはどこまでも続く青い海と、海へ向かって切り立つ断崖絶壁。その先端には白い大瀬崎灯台が小さく見える。

写真で見たことはあったが、実際に眺めると想像以上にスケールが大きい。

高さのある断崖が海岸線に沿って延び、その周囲には建物らしい建物がほとんど見当たらない。人工物は崖の先に立つ灯台だけで、あとは山と岩と海である。

展望台から灯台までは遊歩道が続いているが、観光バスの滞在時間で往復するのはさすがに難しい。今回は遠くから眺めるだけにしておいた。

写真では小さく見える灯台も、実際にはかなり立派な建物なのだろう。ただ、あそこまで歩いて行ったら帰りは当然上り坂である。絶景へ近づくには、相応の体力を差し出さなければならないらしい。

それでも、この景色を見るためだけに福江島を訪れる価値はある。晴れた日の青空と海、緑の断崖、白い灯台という組み合わせは、どこを切り取っても絵になる。

日本の渚百選・高浜海水浴場

大瀬崎を出発した後は、高浜海水浴場へ。

高浜海水浴場は「日本の渚百選」に選ばれており、遠くから眺めるだけでも海の色が明らかに違う。

海岸へ近づくにつれて水の色が濃い青からエメラルドグリーンへと変わり、波打ち際では海底の砂が透けて見えるほど透明度が高い。白い砂浜との組み合わせは、南国のリゾート地そのものである。

この日は天気にも恵まれ、海では多くの人たちが泳いでいた。

こちらは観光バスなので砂浜を歩いて写真を撮るだけだが、目の前で楽しそうに泳いでいる人たちを見ると、なぜ水着を持ってこなかったのか少し後悔する。

もっとも、水着を持っていたところでバスの集合時間までに泳いで着替える余裕はない。海へ飛び込んだ瞬間、次の目的地が福江港ではなく置き去りの自分探しになる可能性が高い。

短時間の滞在でも、五島の海の美しさは十分に感じられた。次に来る機会があれば、高浜海水浴場だけで半日くらい過ごしてみたい。

観光バスで福江港へ戻る

教会と大瀬崎、高浜海水浴場を巡った後、バスは予定通り福江港へ戻ってきた。

自分で運転する必要がないので、移動中は車窓から島の景色を眺めたり、少し休んだりできる。観光地ごとの滞在時間は限られているが、半日で福江島西部の代表的なスポットを効率よく回れるのは大きな魅力だ。

特に今回のように午後の船で島を出る場合、戻り時間が決まっている定期観光バスは使いやすい。

自由度を取るならレンタカー、効率と安心を取るなら観光バス。滞在日数や運転への自信に応じて選ぶと良いだろう。

福江港へ戻ったら「うま亭」で肉うどん

港へ戻った頃には、ちょうど昼食の時間になっていた。

向かったのは「御食事処うま亭」。店の大きな看板には、これでもかというほど「うま亭」と書かれているので見落とす心配はない。

注文したのは肉うどん

運ばれてきた肉うどんは、器を覆うほど牛肉がたっぷり。ワカメ、ネギ、かまぼこも入り、あっさりとした出汁に肉の旨味が加わっている。

地獄炊きで食べた細い五島うどんとは少し印象が異なるが、観光バスで巡った後の空腹にはちょうど良い一杯だった。

グルメ
うま亭
【福江港すぐ近く】うま亭の肉うどん(五島牛と五島うどん)でランチNew!!

福江港から徒歩1分ほどにあるうま亭では五島うどんやちゃんぽん、定食などを提供しており、観光客だけでなく地元の人にも利用されている食堂だ。フェリーや定期観光バスの出発まであまり時間がない時にも、この立地はかなりありがたい。 […]

予約しておいた「鬼鯖鮨」を受け取る

昼食を済ませたら福江港フェリーターミナルへ戻り、土産店で前日に予約しておいた「鬼鯖鮨」を受け取る。

鬼鯖鮨は、肉厚の鯖を使った五島列島の名物。竹皮風の包みを開くと、艶のある鯖が酢飯の上を覆い、横から見るとその厚さがよく分かる。

一般的な鯖寿司では酢の酸味が強く感じられることもあるが、鬼鯖鮨は鯖の旨味と脂をしっかり楽しめる。見た目からして鯖が主役であり、酢飯はその巨大な主役を支える舞台のような存在だ。

人気商品なので、確実に購入したい場合は今回のように予約しておくと安心である。

島を離れた後にも五島の味を楽しめるので、帰りの船や長崎へ着いてからの夕食にも良い。

13時40分発のジェットフォイルで長崎へ

わずか1泊2日の五島旅行だったが、前日は堂崎教会を訪れ、福江の町を歩き、この日の朝には地獄炊きうどんを味わった。

さらに定期観光バスで井持浦教会、大瀬崎、高浜海水浴場を巡り、昼には二杯目の五島うどん。最後には予約しておいた鬼鯖鮨まで確保した。

短い滞在時間のわりには、かなり五島らしいものを詰め込めたのではないだろうか。

それでも、ジェットフォイルが福江港を離れると、今回できなかったことが次々と思い浮かんでくる。

大瀬崎灯台まで実際に歩いてみたい。高浜海水浴場で泳ぎたい。五島うどんの製麺所も見学したい。そして次は、福江島だけでなく久賀島や奈留島にも渡ってみたい。

どうやら五島列島は、1泊2日で満足させてくれるほど小さくも単純でもなかったらしい。

定期観光バスは、短時間で福江島西部の代表的な見どころを巡れるため、初めて島を訪れる人や、帰りの船まで時間が限られている人には便利である。

ただし、効率よく回れば回るほど「今度はもっとゆっくり見たい」という場所が増えていく。

福江島を離れる頃には、早くも次の五島旅行を考え始めていた。旅というものは、帰るときが次の旅の始まりなのである。

投稿者プロフィール

たった
たった
神奈川から鹿児島に移住した当サイト管理人兼WEBデザイナー。カレーとラーメンと焼肉や珍しいご当地料理が好き。週末はイベントやお祭りに出向いたり、小学生の娘と一緒にポケモンをしながら街をブラブラ歩く。最近はドラクエウォークもやってます。
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