軍艦島ツアー予約はどこがオススメ?上陸率に差はある?初めてなら軍艦島デジタルミュージアムも見るべき
熊本フェリーで島原を経由して、ついに長崎市内へたどり着きました。そして今回はついに世界遺産の軍艦島へと向かいます。
島原を回る様子は前回のレポートをご覧ください。
軍艦島とは?由来と歴史
まずは簡単に軍艦島についておさらい。
軍艦島、正式には端島(はしま)は、その独特な外観が戦艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになりました。
軍艦島は、長崎港から約19キロの位置にあり、かつては海底炭鉱として栄えた島で、19世紀末から20世紀にかけて、炭鉱での労働者が増え、島全体がコンクリート造りのアパートで埋め尽くされました。
最盛期には5,000人以上が住み、日本一の人口密度を誇っていましたが、1974年に炭鉱が閉鎖され、無人島となりました。現在では廃墟と化したその姿が注目を集め、世界遺産に登録され、観光名所としても人気です。
軍艦島への上陸方法は?各社軍艦島ツアーと予約について
軍艦島へ渡るにはツアー参加しかありません。
複数の会社が運行していますが、選ぶ際にはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
運行会社によってツアー内容、値段が微妙に異なるため、自分の旅行スタイルに合った会社を選ぶことが重要です。
代表的な会社には「軍艦島コンシェルジュ」「軍艦島クルーズ(株)」「(株)シーマン商会」「やまさ海運(株)」「第七ゑびす丸」などがあります。
インターネットから予約できますが参加人数には限りがあり、お盆や連休など観光シーズンは何カ月も前に予約が埋まってしまうこともあるので、早めに予定を立てることをオススメします。
ツアー会社によって上陸率に差はある?
以前は、各社の裁量で軍艦島に上陸できるかどうかの判断がなされていたので上陸率に差がありましたが、最近は長崎市が取り決めた基準に全社従っているので、会社による上陸率の差はあまりありません(※船長の判断で上陸が中止になる場合もある)。
上陸できない基準
- 風速が秒速5メートルを超えるとき
- 波高が0.5メートルを超えるとき
- 視程が500メートル以下のとき
天候によっては当日にツアーが中止されることもあります。その場合は、軍艦島の周りだけをクルーズしたり、出港自体が取りやめになったりします。特に、軍艦島への上陸は波の影響を受けやすいため、天気がよさそうに見えても上陸できないことがあることを理解しておきましょう。
船が出ない時の代替スケジュールも考えておくといいかもしれません。
軍艦島コンシェルジュのツアーに参加してきた
今回参加したのは、「軍艦島コンシェルジュ」のツアーです。このツアーは、「軍艦島デジタルミュージアム」への入場とガイド付き上陸ツアーがセットになっており、初めて訪れる方にとっては、軍艦島の知識と魅力をしっかりと堪能できる内容になっています。
軍艦島の意外な事実を学べる軍艦島デジタルミュージアムについて
ツアー当日、軍艦島コンシェルジュの受付は「軍艦島デジタルミュージアム」にて行います。
事前予約していれば、入口の端末でセルフチェックインして、その後は出発時間までミュージアム内を観覧します。
ここでは、軍艦島に関する貴重な資料や展示が数多く揃っています。炭鉱労働者たちの生活を再現したジオラマや、当時の写真、映像資料などを通して、軍艦島の歴史をより深く理解することができます。
意外な事実として、軍艦島が「日本で最初のコンクリート建築物を持つ場所」だったことや、アパートの狭い空間でいかに工夫して生活していたかなど、驚くような情報が詰まっています。
ミュージアム内は単なる観光スポットではなく、当時の日本のエネルギー政策や社会背景についても学べるので、時間が許す限りじっくりと見て回りたいところです。
上陸ツアー出発前に、軍艦島デジタルミュージアムで軍艦島の歴史や文化について学んでおくと、その後の上陸ツアーで、廃墟となった現在の姿と、かつて端島と呼ばれ栄えていたころの軍艦島の姿とを比較する脳内解像度が一気に上がります。
軍艦島コンシェルジュのツアーに参加していなくても、ミュージアムのみの見学もできるので、ぜひ立ち寄ってみるといいでしょう。
長崎港から軍艦島へ出発!夏は40度越え??水分補給をしっかり準備
いよいよ、長崎港から軍艦島へと出発です!
ツアーの船内は空調が効いて快適で、デッキからは長崎港の美しい風景を楽しむことができます。
しかし、夏場の軍艦島は40度を超えることもあり非常に暑く、特に上陸後は、日陰が少ないため、熱中症対策が必要です。
帽子や日焼け止め、水分補給の準備を忘れずに行いましょう(日傘は持ち込みNG)。ツアー中は、ガイドからもこまめに水を飲むようにアドバイスがあります。
また、軍艦島は風が強い日も多いので、天候によっては注意が必要です。夏場だけでなく、冬場も防寒対策を忘れずに。
なお、肌の露出するサンダルや不安定なハイヒールでは上陸させてもらえないので、歩きやすいスニーカーや運動靴を履いていきましょう。
実は上陸率が低い?軍艦島に上陸!
長崎港を出発して、長崎南部と西部を結ぶ巨大な女神大橋をくぐり、あちこちにある造船場を眺めながら約40分ほどで、端島(軍艦島)が見えてきます。
その姿は数ある島々の中でもあきらかに異彩を放っており、軍艦というよりもはや水上要塞です。
軍艦島への上陸は、実は天候や海の状況によって大きく左右されます。上陸率は決して高くはなく、50~60%程度とされています。それだけに、無事に上陸できたときの喜びは格別です。
上陸すると、廃墟となった建物群が目の前に広がります。
かつての住居や学校、そして炭鉱の遺構などが今も残り、かつてここに5,000人以上が生活していたとは思えないほどの静寂が漂っています。ツアーガイドが案内してくれるルートは限られていますが、その分安全に見学でき、要所要所で詳しい解説を聞くことができます。
島全体がまるで時間が止まったかのようで、その歴史に想いを馳せることができます。
遠くに見える鉄筋のアパートからは、今でも人々の声が聞こえてきそうです。
長崎港へ帰港。ツアーを終えて
軍艦島での見学を終えたら、再び船に乗って長崎港へと帰ります。
帰りの船では、訪れたばかりの軍艦島を振り返りながら、旅の余韻をゆっくり楽しむことができます。
軍艦島ツアーを終えた後は、そこがただの観光地や廃墟ではなく、その背景にある歴史やそこに暮らしていた人々の想いを感じるとることができるのではないでしょうか。
普段の生活から少し離れ、軍艦島の過去と現在を見つめる時間は、心に深く残る特別な体験となるはずです。
機会があれば、ぜひ訪れみてはいかがでしょうか。
軍艦島デジタルミュージアムへのアクセス
〒850-0921 長崎県長崎市松が枝町5−6
https://www.gunkanjima-museum.jp/