『株式会社TOKIO』は地域活性型共創ビジネスの究極のカタチかもしれない

共創

Salesforce主催のオンライン カンファレンス「Salesforce Live:Japan」に参加しました。

特に注目していたのが2021年4月に設立された「株式会社TOKIO」の副社長 国分太一氏によるセッション。

そのセッションの中でキーワードとなったのが「共創」という言葉です。

共創とは書いて字のごとく「(他社と)共に創りあげる」という意味。他社と競う「競争」とは全く逆の考え方になりますね。

ビジネスとしての共創

日本は古くからモノづくりの国だったので、自分たちで製品を作って市場に売るというのが主流でした。

そしてそこには業界や地域といった枠が存在し、その枠の中で如何に自分たちのシェアを確保できるかが事業の要でした。

しかし、少子高齢化や長いデフレなどにより日本の市場規模はどんどん縮小化し、これまでの枠組みの中では立ち行かなくなってきています。

それを脱却するために、企業は今までにない/他社に真似できない画期的なサービスを提供するか、他の地域への展開や異業種への参入を視野に入れてくる必要が出てきます。しかし、消費者ニーズが多様化し成熟しきった市場の中で差別化を図ったり、新規参入者が市場シェアを奪うことは簡単ではありません。

そのためには、自分たちの知識や技術だけでなく、他人(社)の協力が不可欠です。

自分たちだけではできないものを他人(社)と協力しながら共に新たなモノ・サービス・価値を創りあげることが共創になります。

共創と協力の違い

ただビジネスで協力するだけならこれまでも「協業」といった言葉がありました。

では、共創と協業の違いは何でしょうか?

明確な定義はありませんが、協業とはあくまで「利害の一致」によるパートナーシップに対して、共創とは「ビジョン(想い)の一致」によるパートナーシップだと考えています。

つまり、共創は損得で協力するのではなく、その想いに共感し同じ方向・目的に共に進みたいから協力するということです。

しかし、いくら共感できるからと言っても利益度外視というわけにもいきません。何事をなすにもお金はかかりますし、その想いを達成するためにある程度の資金は確保しなくてはなりません。

共感できる想いは人を動かしビジネスになる

もし、あなたの想いが他の人の心に共感してもらえれば、クラウドファンディングで資金提供してくれたり、製品化された商品を購入してくれたり、新たなアイデアや改善点などフィードバックをくれたりなどしてくれるかもしれません。こうした人たちも広い意味で共創パートナーです。

そして共感はときに大きな力となります。

例えば鹿児島県霧島市では、コロナ禍で売り上げが落ち込んだ生産農家の畜産品や農作物をふるさと納税の返礼品にしたところ、生産農家を応援したいという想いに共感した人たちのおかげで、前年の1.5倍の寄付金が集まったそうです。

最初は利益目的ではなくても、人の心を動かせるだけの想いがあれば十分ビジネスとして成り立つ可能性はあります。

共感してもらうためには自分をさらけ出そう

共創するためには、自分のビジョンを明確にし、理解してもらう必要があります。

どんなに熱い想いがあってもそれが他の人に伝わらなければ意味がありません。得体のしれない赤の他人をすぐに信用するほど世の中ピュアな人たちだらけではないですからね。

共感を得るにはまずは信用してもらうこと。自分がどんな人なのかさらけ出し、知ってもらうことから始めます。

その際に良いところだけを見せるより、かっこ悪いところ、普通なところ、ありのままを見せた方が共感を得られやすいです。

株式会社TOKIOのホームページには、まだ数は少ないですが事業記録としてこれまでの作成した企画書が掲載されています。彼らは他人に言われてやっているのではなく、自分たちの想いでやっていることを伝えるためです。

普通の企業であれば成功事例のみを載せるところですが、株式会社TOKIOは没になった企画も載せています。

拙い企画書ながらもその「熱い想い」だけは十分伝わってきますね。

株式会社TOKIO 事業記録

そして彼らは全国の多くの人たちに伝えられるだけの知名度と注目・話題性を持っています。広報・広告の課題をクリアできるのは企業として大きなアドバンテージです。

共創と地域活性の両立

共創にもいくつか課題があります。

そのひとつが地域の雇用問題。

最初から地方で共創というスタイルで会社を立ち上げた場合、従業員を雇う必要もありません。必要な人員はすべて外部パートナーに協力してもらえば良いのですから。

さらにリモートワークの普及により遠方の人とのやり取りもだいぶスムーズになったため地元の人にこだわる必要もなく、インターネットなどクラウドサービスでパートナーを探すと、どうしても人材が多い東京、大阪、福岡など都市部の企業、クリエーターと組むことが多くなってしまいます。

しかし事業に関わる大部分を都市部のパートナーに任せてしまうと、地域の仕事が減り、雇用が減り、その結果、過疎化が進んでさらに都市部のパ-トナーに頼らざるを得ないといった悪循環に陥ってしまいます。

そうなると地域活性化どころの話ではありません。

食材には地産地消というものがありますが、人材の地産地消というものも必要になるかもしれません。その地域の仕事はその地域の人に任せる、みたいな。

株式会社TOKIOは6月17日まで「Do it ourselves.」を合言葉に「Make with TOKIO!一緒に作ろうプロジェクト」を募集しています。

彼らは協力はするけど、あくまで主役はその地域の人たちであり、その人たちの想いを色々なカタチで全国へ届ける手伝いをするというスタンスのようです。これなら地域活性と共創を両立できそうです。

彼らが今後どんな展開を見せるのか非常に期待ですね。

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